医学界の不思議
医学界の裏事情を暴こうっていう訳ではないんで好奇心は満たせません(笑)
病気の治療に当たる診療科を主科と言うらしい。
ところが肺に病気があっても、経緯と成り行きで主科が耳鼻咽喉科になることがある。
そして治療は耳鼻咽喉科で行われる。
耳鼻科の医師は肺に関する知識はないので投薬治療は出来ても、患者の肺に関する訴えに答えることは出来ないので、呼吸器内科か外科と連携することになる。
ワンクッション置いての治療になるから急変などへの対応は間に合わないと思われる。
ややこしいので、具体的な例を挙げる。
A氏は定期検診で肺腺癌が見つかり、早期発見であったので手術で処置することになった。
呼吸器外科の医師からも5年ほどは様子を見るが、まず心配ないであろうとの心強い言葉をもらっていた。
2年目定期検査で、肺、副腎、頸部に異変が発見された。
この折の検査はPET‐CTで、活発な分裂をする癌細胞が光って反応することで、異常を知らせる。
だから光ったからと言って悪性のものであるかどうかは、その後の組織検査で確認される。
腹腔鏡手術で組織を採取することになった。
5日間の入院の結果、肺の縦隔膜と言うところの異変は2年前に手術した肺腺癌の転移ではなく、扁平上皮腫と診断された。
ここでA氏の華々しい?病歴を披露しなければ話が展開出来ない。
実はA氏、6年前に軟口蓋癌を経験している。
口内の上顎部分に出来た扁平上皮腫である。
6年と言う期間、再発もなく過ごして来たのに、何故いま?
これには医師も首を傾げた。
しかし、ここでA氏を担当するのは呼吸器外科から耳鼻咽喉科に変わることになる。
なぜ?
それは、6年前の扁平上皮腫の転移が疑われるからである。
6年前の主科は耳鼻咽喉科である。
因果関係を明確にするため、6年前に採取、保存されていた扁平上皮腫のサンプルを検査、今回の腫瘍と比較すると、全く同一ではないが、抗癌剤などの影響での変化も考えられ、肺の扁平上皮腫は6年前の軟口蓋癌の転移と診断された。
担当は耳鼻咽喉科である。
しかし患部は肺にある。
A氏は混乱した。
肺の癌を口蓋癌の転移であるからと耳鼻咽喉科が担当する?
主治医に肺腺癌はまるで関係なかったのかと尋ねると、肺のことはまるで解らないと答えたと言う。
また呼吸器外科での診察の際、担当医が、耳鼻咽喉科でもPET検査はするでしょうから、肺の方は見ておきますと、
なんとも素っ気なく冷たい言葉。
はちゃめちゃな例えをするなら、熱が出て頭が痛いのに、歯茎が腫れてるから歯医者に行って下さいと言うようなものではないか?
「元々はお宅て診ていた病気が原因なんだから、うちは関係ないよ。お宅で責任もって治療しなさいよ」
そういうこと?
責任の所在の問題?
海外ではどうなんだか知らないが、
我が国の医療体制では斯くの如し。
摩訶不思議